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ふぐは河豚である

これは毎日新聞の記者が中国のフグ事情を訪ねて
1991年春の長江(揚子江)を旅したときの話です。

◆中国ではフグは川で取れ、しかも豚肉のように、おいしいことから名付けられた。
日本には川に住むフグはいないが、中国の呼称が
そのまま使われるようになった。

◆日本では縄文時代から(遺跡からフグの歯が見つかっている)5000年ものフグ食の文化があるが、『河豚』の名付け親・中国も、かなり古くからフグへの関心が高かった。
宋代の詩人で食通としても知られる蘇東坡が、
『一死に値す』とフグの美味を絶賛した。

◆中国のフグは、日本に輸出している海水産のトラフグもあるが、主に長江などの河川や湖にすむ淡 水産のメフグを食べる、とされている。
春になるとメフグが長江をさかのぼるのである。

◆同行する上海のガイドはいきなりこう言った。『フグの料理を調べたいようですが無理かも知れません』。そして、『現在の中国ではフグ食は禁じられています。しかし、長江をさかのぼれば、あるかも知れません』と付け足した。
上海から汽車で無錫へ向かう。中国名菜譜にある『巴肺湯(フグのスープ料理)』 にお目にかかれるかもしれない。 ある料理店に行った。コック長は『フグは親類、友達をもてなす最高の料理です。
炒めたり蒸したりして食べるが、毎年、死者が出るので、政府の規制が厳しいのです ・・。
コックが料理して食べて異常がなければ、30分後に客に出します。
1テーブル(8人)800元(日本円で約13,000円)もする料理です。』と 親切に説明してくれたが、料理は作ってくれなかった。旅行者に食べさせてうわさを 流されるのを
恐れた風だった。
市内には大きな自由市場があり、長江の魚がたくさん 並んでいるが、やはりフグは無かった。『こんな所に出したらすぐに摘発されます 。ヤミの流通経路に流れていくのですよ』

◆ 鎮江から長江を渡って楊州へ行った。桃の花が満開、川べりの柳の新緑がまばゆい。
フグの名詩を思わずにはいられない風景。蘇東坡の詩はこうだ。

地元のガイドの案内で、あるレストランに入った。
責任者はやはり警戒しているようすだった。たらいに入った一匹のメフグを見せてくれた。
見慣れているトラフグとは、かなり違う魚だ。
『毒は、卵巣、血、目にあるのでそれを取り除いて料理する』と話した。
『紅焼河豚』が一番美味しいとも言ったが、やはり料理はしなかった。

◆ 南京は、これまでの町とはやや違う様子だった。長江の魚が生きたままで売られていた自由市場の店先にフグは並んでいなかった。だが、『 フグは奥にしまってあるよ。買えば料理する人を捜してあげる』と地元のガイドは積極的だった。それまで何とか料理を見たい、と思い続けてきたが、やはり断ることにした。中国政府が禁止しているこを、外国の旅行者が破ってはいけないと考えたからだ。美味なる魚は、国が規制してもヤミルートができてしまう。庶民たちがこれだけ熱き想いを持っていることを知っただけで、今回の旅の目的は果たせたからだ。
                     (毎日新聞社広告局・広告より抜粋)
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